熱による歪みについて

  • 結論を先に言いますと、どんな火器でも鋼板を使う限り、熱変形を生じます。
    問題は、歪みが簡単に自分で修正できるかどうか?
    プチかまどは、フラットパネルなので簡単に修正できます。
  • 初めて使って、熱で歪んできたのを見て水をかけないで!!
  • 寒い時やプチかまどのパネルが冷えている時に、着火剤などを
    使っていきなり勢いよく焚き火をはじめると、瞬間にパネルの内外の温度差が大きくなるので、特に着火直後は、パネルが弓なりに曲がり始めます。
  • (初めはビックリするかも知れませんが)ここで慌てて水をかけて消火をしないでください。
  • やがて、パネル外にも熱が伝わり、パネルの曲がりが減少します。
  • 燃焼中には完全にフラットには戻らなくとも、燃焼終了⇒自然冷却により、パネルの曲がりは、使用に差し支えないところまで戻ります。
  • パネルの変形を最小限にとどめるため、
    ご使用後は、できる限り自然にパネルの冷却をさせて下さい。

歪みの様子と原因

  • 鋼板は、材質がアルミ・スチールステンレスチタン全てについて、
    熱を加えると歪みが発生します。写真は、ユーザーさんのチタン製M3の例です。
    歪んだ方向を赤の曲線で示しました(錆に見えるのは汚れです);。
  • これは、もともと、鋼板が圧延という方法で作られる展伸材と呼ばれるものであり、
    その製法により、鋼板に金属の結晶の並ぶ方向性が出てしまうためです。
  • 例えて言えば、木材のように木目が入るようなもので、
    鋼材をローラーで薄く延ばす方向に曲がり易くなります。
  • それに比べ、直角の方向には、曲がり難く、折れやすい構造になります。
  • 歪みの発生する程度は、パネルの材質と厚みにより、多少異なりますが、
    最も激しく歪む304ステンレスは、プチかまどでは採用を見送っております。
  • 現在のラインアップでは、1番歪みが少ないのが、アルミの1.5mm厚です。
    その他は、ほぼ同じような歪みが出ます。
  • プチかまどM3,L1で採用している430ステンレスは、304ステンレスとは、
    熱を受けた時の反応が全く違いますので、安心して使用できます。
  • 尚、アルミ製のパネルに限ったことですが、上記のような歪みでは無く、
    大きな薪などを入れることにより、パネルが歪むことがあります。
    写真のような例です。矢印の方向に力が働くからです。
  • この場合、パネルを左右逆にして、歪みを押し返すことができますが、
  • 上記の木目に沿うような反りについては、左右を逆にしても、
    反対方向に反りは戻りません。

プチかまどのパネル構造はULの焚き火台の中で歪みに最も強い構造です。

  • L型の曲げ加工を加えた組立式やヒンジで繋いだ構造だと、
    各パネルが熱変形で加工前の形の戻ろうと、さまざまな方向に捻じれます。
    その為、薄板で制作すると、展開した焚き火台が折り畳めなくなるとか、
    逆に折り畳んだ状態から使える形への展開ができなくなることがあります。
  • フラットパネルを相互に差し込むだけのプチかまどの構造であれば、
    それぞれのパネルの歪みは、他のパネルに影響を与えません。
  • パネルごとに極端に歪んだ場合は、ハンマーなどで修正すれば問題なく使えます。

歪んだパネルの対処方法

  • プチかまどM3及びL1のスリットは、余裕を持たせて2mm幅で製作しております。
  • 通常のパネルの歪みは、このスリットの余裕で吸収できるため、
    歪みによりプチかまどが組み立て不能になることはありません。
  • ただし、プチかまどの置き場所が平坦で無い場合や、柔らかい土壌の場合、
    パネルの歪みと合わせて、使用中にパネルが外れる危険があります。
  • 写真のように、プチかまどの底面パネルには、ピンを差し込む穴を用意していますので、
    ペグやボルトなどを差し込んで、パネルが外れないようにしてご利用下さい。
  • 歪みが生じる前にピンを利用することにより、歪みの予防も可能です
  • 歪んだパネルを簡単に補正する方法を動画にしました。
    • 従来、熱の歪みは大ハンマーなどで優しく叩いて・・・
      などと説明していましたが、ガラス瓶を使うと簡単に補正できました。
    • 字幕付きの動画にしましたので、字幕機能をONにしてご覧下さい。
  • また、往復の送料をご負担頂ければ、当ガレージで補正して返送します